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中瀬 吉昭
JAERI-M 89-151, 69 Pages, 1989/10
高分子材料表面の機能化に関する研究のために低エネルギイオン発生装置を試作した。本装置の基本性能、構成、電源系、排気系及び付属装置の概要とともに、試運転結果及び試験照射結果について報告する。本装置の特徴の一例として、Krビーム電源の最大値は、Tiターゲット上で、1.6mA(35kV)が得られた。高分子材料(フィルム)へのKrの試験照射の結果から、照射線量(時間)に対応した着色があり、その吸光度変化と、ビーム電流値(ファラデーカップによる測定)とに相関があることを見出した。これは、吸光度測定法による線量評価の可能性を示唆する。
田中 隆一; 三友 昭市; 須永 博美; 松田 光司; 田村 直幸
JAERI-M 82-033, 31 Pages, 1982/04
電子線およびガンマ線を対象とした大線量測定用のCTA(三酢酸セルロース)線量計を取扱うためのマニュアルを作成した。CTA線量計は線量に比例した応答を示し、有効測定範囲は1~15Mradである。通常の電子線照射条件のもとでは、応答は線量率、温度および湿度に依存しないが、ガンマ線照射条件では、温度および湿度に依存する。CTAはテープ状であるので、フィルム片を用いた個別的測定以外に、長尺テープを用いた連続的な線量分布測定が可能である。本マニュアルでは、CTA線量計の特性、読み取り用の吸光度測定器、フィルム片および長尺テープを用いた標準的な測定手順、線量換算法、線量計の精度、基本的な応用例などについて述べる。
宮下 敦巳; 山本 春也; 吉川 正人
no journal, ,
水素化社会の実現のため、水素を有機水素化合物(OHC)の形で貯蔵・運搬する技術に注目が集まっている。有機水素化合物検知材料(OHC-M)を用いて光学的にOHCを検知するには、OHCから水素を脱離させる反応を進行させるため、OHC-Mの加熱が必要となる。本研究では、検知光と赤外線レーザ光を導入できる小型の吸光度測定装置を試作することにより、ヒータ等の電源設備を用いることなくOHC-Mを光加熱する手法の可能性を調べた。その結果、波長1070nm、出力18.0WのYb赤外光ファイバレーザによる予備実験では、OHC-Mの温度を10分程度で150Cにまで加熱できることが分かった。またOHC-Mの試料台を熱容量の小さなセラミックスで作製した場合、瞬時に150Cまで温度を上昇できることが分かった。膜厚1158nmの3酸化タングステン()薄膜にPtを14.4nm蒸着したOHC-Mを加熱した後、流量200ml/minの1.0%シクロヘキサンを接触させた時の透過光強度の時間経過を調べると、単純な指数関数的減少では無く、減衰時定数の異なる2つの成分を有する減少であることが分かった。今後、OHC-Mの特性評価を進めると共に、異なる2つの成分の物理的要因の解明を目指す予定である。